![]() 佐藤翔真
簡易的に臨場感が得られるオーディオシステムの実現に向けて、腹話術効果を用いた移動映像の音像定位感について調査してきました。腹話術効果とは、音を発している聴覚情報よりもその音に合わせて動いている視覚情報の方が優位に働く現象のことです。離散的な音像と連続的な映像の定位感覚を評価する実験を行い、音と映像の相互作用を調査しました。
腹話術効果により音を離散的に提示しても、連続的な映像と同時に再生することで違和感のない移動音が再現できます。そこで、音と映像の提示時間に対する定位感覚を得られる最も少ない音像提示回数の主観評価実験を行いました。被験者に定位感覚を評価してもらい、一対比較法の浦の変法で分析しました。提示時間と最低音像提示回数から回帰直線を求め、相関係数から関係が線形的であることを確認しました。
はじめは実験環境の構築やプログラミングに苦戦しましたが、試行錯誤を繰り返し、最適な条件を探し出す過程で多くの学びがありました。またこの研究を通して、被験者のデータ収集や分析の手法を学び、視覚と聴覚に関する心理学的な知識を深めることができました。
|