2017年3月卒業
複数スピーカを用いた複数聴取者に対する同一音像提示実験
柳澤一世
複数聴取者に対して，座席が異なっても音の到来方向が同一方向に聞こえるように再生音を制御しました．たくさんのスピーカで聴取者を取り囲み，加工した音を提示して，音の到来方向を調べました．誤差の原因となる隣の聴取者の有無による音の到達経路変化について卒業論文にまとめました．
	音像制御装置の構築 ＴＶ視聴時に着席する位置が異なっても同じ音に聞こえる環境を構築しました． まず，複数聴取者の耳の位置でたくさんのスピーカから到来するたくさんの組み合わせの経路特性を計測しました．また，提示したい音源位置の経路特性を計測しました． そして，これらの経路特性を修正する計算式をコンピュータを用いて分析して，所望の経路特性を再現するディジタルフィルタを決定しました． 通常，音源を見る方向が異なれば，聞こえる音の到来方向が異なるものですが，このフィルタを利用して音を再生すると，離れた座席で聞いても，聞こえる音の到来方向が変わらないのです．
	感想 映画等で使用されている音響システムに興味があったので臨場感に関するこのテーマを研究しました．複数のスピーカを用いて音像制御を行い，自分でプログラムを書き，機器を配置して構築した実験環境から所望音像が聞こえてきたときは感動しました． また，この成果を学会で発表する機会を得ることができ，自分や他大学の学生や先生方の発表と意見交換ができた経験が貴重なものとなりました． 卒研の紹介 Top page